- 2017.01.16
- お役立ち医療情報
冬の入浴のご提案
訪問看護ステーション しんまち
所長 訪問看護認定看護師 上原 かおり
ゆっくり温かいお風呂に入りたい季節になりました。が、冬のお風呂は危険が沢山潜んでいます。入浴に伴う体調への影響と入浴時の工夫をいくつか紹介します。
① 温度差を減らそう
寒くなると暖房を使いますが、入浴時には温かいお部屋→寒い廊下→脱衣所→浴室→熱い浴槽→寒い脱衣所→温かいお部屋へと移動します。この温度差は血圧を急激に上げ下げし、脳出血や狭心症、心筋梗塞等を起こしやすくします。廊下や脱衣所を温める、浴槽の蓋を開けてお湯を張り湯気で浴室を温める、床や壁にシャワーをかける等、できるだけ温度差が少ない環境づくりを心掛けましょう。
② 熱すぎず!深すぎず!長すぎず!
熱いお湯に体が触れると血管が縮まり血圧が上がります。足元からかけ湯をして体を慣らしてからゆっくり浴槽に入りましょう。温まることで今度は血管が拡がり血圧が下がります。急に立ち上がると一気に血圧が下がりめまいや転倒を起こしやすくなります。慌てずゆっくり立ち上がりましょう。急激な血圧変動を避けるためにも38~40℃位が適温です。また、肩まで浸かると体に掛かる水圧が心臓の負担を大きくします。負担を減らすため半身浴をお勧めします。上半身にはタオルを掛け、かけ湯をしながら温まりましょう。長湯も心臓の負担を大きくします。1回5分程度がお勧めです。
③ 入浴後は水分補給をお忘れなく
入浴中は血行が良くなるため汗をかきます。汗により血液中の水分は減り、入浴後はドロドロの血液が血管内を流れている状態です。ドロドロの血液は血の塊を作り詰まりやすくなり、脳梗塞、脳血栓、心筋梗塞等を起こしやすくします。ドロドロを解消するために、入浴後は必ず水分を摂りましょう。
④ かさつき、痒(かゆ)みとお別れ
冬になると乾燥により皮膚細胞の水分が減りかさつき、痒(かゆ)みが起こります。お風呂上りは細胞内の水分が増えていますので、保湿クリーム(ボディクリーム等)を手で薄く伸ばし、全身に塗ってください。クリームの油分が膜となり細胞内の水分が保たれ、かさつき、痒(かゆ)みを減らします。
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