院長あいさつ
新町病院は篠ノ井総合病院と2017年4月1日に業務統合、2019年4月1日に経営統合し、「南長野医療センター」を冠した名称となっておりますが、その歴史は篠ノ井総合病院よりも古く、篠ノ井総合病院が診療開始となる昭和42年5月2日から遡ること5年余り、新町病院は昭和37年7月1日より診療を開始しています。
私が整形外科医になってから、初めて手術というものを経験したのが、ここ新町病院でした。「事故で足関節を骨折した患者が搬送された。これから手術になるので、一緒に行くぞ。」と上司の医師に言われ、松本の信州大学附属病院を後にしました。新町病院は、しばらくの間、長野松本間を結ぶ大動脈である国道19号線(1952年~一級国道に指定)で起こる交通事故を一手に引き受け、整形外科常勤医が2名だった時期もありました。しかし、長野自動車道が全線開通する1993年以降、車の流れが変わるとともに過疎化の波が押し寄せ、新町病院がカバーする長野市西部地区の人口は減少の一途を辿っています。旧信州新町・中条村・大岡村に小川村を加えた地域の人口は、昭和20年代(1950年前後)には約3万人でしたが、2005年には約1万3千人、2020年には8千6百人まで減少し、信更地区を加えても1万5百人に留まっています。南長野医療センターは、ここ3年間で未曽有のパンデミックを生じた新型コロナ感染症に対しても、クラスターの発生を最小限に留めつつ、篠ノ井総合病院では急性期治療を、新町病院は回復期・後遺症治療を担ってまいりました。少子高齢化に伴う過疎がとりわけ早く進んでいる長野市西部地区ですが、医療も過疎に陥らないよう、新町病院は篠ノ井総合病院と連携してこの地区の医療を維持していくことが私の役割と捉えております。患者さんには、急性期治療を受ける篠ノ井総合病院から、回復期・慢性期になりましたら新町病院への転院をお願いすることになりますが、より質の高い医療を提供できる南長野医療センターならではの機能と考えております。地域の医療を堅持するためにも、皆様のご理解とご協力を何卒よろしくお願い致します。